このページでは起業する際に決めなければならない、会社形態をそれぞれメリット・デメリット含めて、ご説明致します。
まず、日本における会社の形態は4つです。
・株式会社
・合同会社
・合名会社
・合資会社
になります。
以前あった有限会社は2006年の新会社法により、新規で設立が出来なくなりました。
株式会社以外の合同会社・合名会社・合資会社を総称して「持分会社」といいます。
形態 | 株式会社 | 持分会社 |
---|---|---|
意思決定 | 株主総会 | 社員の過半数 |
決算の公表 | 必要 | 必要ない |
役員の任期 | 10年 | なし |
株式の公開 | 可能 | 不可 |
登記費用 | 24万円 | 10万円 |
上記の表が株式会社と持分会社の主な違いになります。
株式会社は株主総会での多数決、持分会社は社員の過半数で可決しないと変更や決定が出来ません。
そして起業する際に気になる登記費用も持分会社なら株式会社の半分以下です。
ここで最初に記載した、4つの形態について詳しくご説明致します。
■株式会社
株式会社とは株式を保有する株主から資金を調達し、資金を預かった経営者が事業を行い、利益を出し、株主に配当する企業形態です。
株主総会や取締役会を設置したり、機関設計も必要になります。将来的に多くの人を雇い、株式から資金調達を広く行いたい方には良いでしょう。
ちなみに、世界初の株式会社は1602年に設立されたオランダ東インド会社でした。
■合同会社
アメリカ合衆国のLLC(Limited Liability Company)をモデルとして導入された合同会社は、全員出資した社員で構成され、皆が会社に対して出資した範囲で責任を負います。
株式会社の取締役社長に当たるのが、代表社員になります。
また、新規設立が認められなくなった有限会社に代わる会社形態になるので、今後設立が増加すると予想されます。
合同会社で設立し、軌道に乗れば10万円程で株式会社への移行も可能です。
ちなみに、合同会社には西友・シスコシステムズ・アップルジャパンなど有名企業もあります。有名企業が全て株式会社というわけではありません。
■合名会社
個人事業主が集まった組織を想定して作られた形態で、合同会社との違いは社員の責任が無限責任になるところです。
個人事業主も負った負債を制限なく全て責任があるのと同様にすべての責任がある扱いになります。そのため、あまり設立数は多くありません。
■合資会社
合同会社の社員は有限責任で出資額を倒産によって失うことはあっても負債を社員個人の負担にはしません、これを間接有限責任と言います。それに対し、合名会社は責任を無限に追うので無限責任でした。
合資会社は有限責任社員と無限責任社員によって構成されます。将来の会社負債のリスクを負う約束により有限責任社員として出資したとみなすことが出来、これを直接有限責任と言います。また、自分の信用力や将来の働きを出資として扱い無限責任社員になることも出来ます。
まとめると以下のようになります。
形態 | 株式会社 | 合同会社 | 合名会社 | 合資会社 |
---|---|---|---|---|
出資者の責任 | 間接有限 | 間接有限 | 無限 | 無限責任直接有限 |
決算の公表 | 必要 | 不要 | 不要 | 不要 |
株式の公開 | 可能 | 不可 | 不可 | 不可 |
登記費用 | 24万円 | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
メリット・デメリット
ここでは実際に多い設立形態の株式会社と合同会社についてご説明致します。
■株式会社
メリット
・認知度も高く、株式会社しか相手にしない会社とも取引が出来る。
・株式の公開が出来、広く資金調達が可能。
デメリット
・決算の公表が必要で、費用がかかる。
・役員の任期があるので、登記を都度しなければなれない。
・設立費用が高い。
■合同会社
メリット
・決算の公表が必要ないので決算に伴う費用もかからない。
・役員の任期がないので、登記に費用がかからない。
・設立費用も安い。
デメリット
・認知があまりなく、取引をしてもらえない場合もある。
・株式を公開出来ない。
設立する会社の形態が決まれば準備金なども把握出来ます。株式会社設立予定を合同会社に変更すると、準備の段階で10万円以上余裕が出来ます。販促用のチラシを作成したり、お客様へご挨拶するための名刺を作成したり、会社設立後の本業の為に資金を使えます。
起業の際に必ずしも株式会社でなければいけないというルールはありません。自分にあった形態を選びましょう。
また、ここでは触れていませんが法人を設立する以外にも個人事業主という選択もあります。
法人を設立すれば、面倒な手続きが増えたり、社会保険料の負担が増えたりデメリットになってしまうこともあります。
本当に法人設立が必要なのかも含めてしっかり考えましょう。
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